無印良品のコオロギチョコが広げる食の可能性(前半)
みなさん、こんにちは!こちらのブログでは、チョコレートにまつわるお役立ち情報、Yuniversoの商品情報をお伝えしていきます。
- 無印良品によるコオロギチョコの衝撃
生活雑貨店「無印良品」を展開する良品計画が、コオロギを材料に使ったチョコレート味のバーである「コオロギチョコ」を2021年12月より販売しています。同社の昆虫食への取り組みとしては、2020年5月に発売した「コオロギせんべい」に続く、第2弾となります。
なぜ食べ物としてなじみのないコオロギを製品化したのでしょうか。またその過程ではどのような苦労があったのでしょうか。ここでは無印良品の大まかな設立経緯について概観を示しつつ、なぜ無印良品がコオロギチョコなるものを消費者に提供するに至ったかという経緯を掘り下げてみたいと思います!
- 無印良品とは
無印良品は、「しるしの無い良い品」という意味です。このコンセプトは、無印良品の誕生の経緯とも深く関わっています。無印良品は1980年に西友のプライベートブランドとして誕生した後、1989年に分離独立する形で設立されました。ブランドを打ち出すというのは、どんな分野においても消費者への浸透を図る上では常識ですが、無印良品の場合はそういった戦略をとらず、「ブランドがない」ということを売りにしてスタートされました。
これは、無印良品がプライベートブランドとして企画されていたことが理由として考えられます。現在プライベートブランドは全盛の時代ともいわれていますが、時代をさかのぼると、1980年頃はプライベートブランドの第1次ブームの時期にあたります(出所:崔相鐵「日本におけるPB商品ブームの歴史~ダイエーの上場廃止に際して」)。そして、小売店が既存のブランドを提供するメーカーとの競合の中で、プライベートブランドに取り組む中で、生まれたものが無印良品だったわけです。
- 無印良品のものづくりとは
こうした会社の設立経緯とも結びつくものになりますが、無印良品のものづくりの基本は、環境・社会に配慮した3つの視点、①素材の選択、②工程の点検、③包装の簡略化、です。地球環境や生産者に配慮した素材を選び、本当に必要なものを必要なかたちで顧客に提供することを目指す、実質本位のものづくりをしています。確かに、無印良品に対する消費者のイメージも、「身近な生活用品をシンプルですっきりとした包装で販売されている」というものが一般的かと思います。
- コオロギせんべいの製品化の背景
無印食品の「コオロギせんべい」のニュースリリースによれば、生活に必要な商品の販売のみならず、社会で今起きている様々な課題に目を向けている、とあります(出所:良品計画「無印良品のコオロギせんべい ネットストアにて先行販売します」)。中でも、世界の人口増による、食料確保と環境問題は避けては通れない課題と述べられています。
昆虫食に目を向けた理由としては、人口増加と食糧確保、豊富な栄養素、環境負荷の低さ、が挙げられています。そして、コオロギは、飼育が容易で、成長も早く、雑食といった点から注目したそうです。
無印の設立経緯では、素材、工程、包装の簡略化、を進めてきたわけですが、こういった思考が、環境・社会問題へと目を向けることに結びついたというとらえ方もできるかもしれません。
食ビジネスを展開しながら、同時に中長期的な食の課題に目を向けてそれに対処していくというのは、非常に新鮮で面白い動きかと思います。
そして、蓋をあけてみると、コオロギせんべいは、同社ネットショップの先行販売で、初回販売分が即日完売。その後も、人気が続いている模様です(出所:日経新聞「無印良品、『コオロギせんべい』ヒットの陰に徳島の企業」)。さらに、コオロギせんべいの成功もあり、昆虫食が改めて注目されているそうです(日経新聞「昆虫食ブーム支えるクラファン ストーリーで共感集める理想形」)。こうして見ると、実際の需要についてもそれなりについてきているということに驚きます!
Yuniversoとしても、よりアイデアを自由にして商品提供を考えなくてはいけないと感じている次第です。前半はこちらで終了となります。引き続きYuniversoをよろしくお願いいたします!